ここでは KUCRS を UNIX 上でビルドし実行する方法を説明します. Windows 用のビルド済みバイナリを利用する場合は 簡単な使い方 を参照して下さい. ただし Windows 上で再ビルドが必要な場合は以下を参考にしてください.
1. ビルド
以下の説明では KUCRS はユーザのホームディレクトリ
~/
中に解凍することを前提にしていますが実際に置く場所は任意です.
他の場所に解凍した場合は ~/KUCRS
を実際に解凍したディレクトリに読み替えて下さい.
解凍
ダウンロードした zip ファイル ('KUCRS-yyyymmdd.zip')
を以下のように解凍します.
[usr@machine ~]$ unzip KUCRS-yyyymmdd.zip
コンパイル
ディレクトリ
~/KUCRS/sources
に移動します. 以下に示す makefile
が用意されているので適切なものを選択し, 必要に応じて編集します.
makeGnu.make | GNU コンパイラ (UNIX-like platform) |
makeIntel64oapiLinux.make | Intel oneAPI 2025以降 (Linux) |
makeIntel64oapiWin.make | Intel oneAPI 2025以降 (Windows) |
makeIntelLinux.make | Intel コンパイラ (Linux) |
makeIntelWin.make | Intel コンパイラ (Windows) |
make
を実行します (Windows では nmake
).
[usr@machine sources]$ make -f selected_make.make
コンパイルが正常に完了したことを確認したら install ターゲットを実行します.
実行ファイルが ~/KUCRS/bin
に移動されます.
[usr@machine sources]$ make -f selected_make.make install
clean ターゲットを実行して一次ファイルを削除します.
[usr@machine sources]$ make -f selected_make.make clean
~/KUCRS に移動して cshell スクリプト ~/KUCRS/prep_envKUCRS
を実行します.
[usr@machine ~/KUCRS]$ csh prep_envKUCRS
これにより ~/KUCRS/bin 内の cshell スクリプトファイルに
実行許可が設定され, ~/KUCRS/work/envKUCRS.csh が生成します.
2. サンプルの実行
環境設定
csh, tcsh など以外の shell を使用している場合は csh か tcsh を起動します.
~/KUCRS/work/envKUCRS.csh を読み込みます.
この操作はログインするたびに必要であることに注意して下さい.
必要であれば .cshrc などに ~/KUCRS/work/envKUCRS.csh
の内容を書き込んでおきます.
[usr@machine work]$ source envKUCRS.csh
自動生成プログラムの実行
~/KUCRS/work/sample に移動して
正常に実行された場合は以下のファイルが生成します.
[usr@machine sample]$ run_comb i-butane
と入力することで, 自動生成プログラムが
i-butane.inp
を入力として実行されます.正常に実行された場合は以下のファイルが生成します.
i-butane.log i-butane_chm.inp i-butane_trn.datChemkin の入力に必要なファイルは 'i-butane_chm.inp' および 'i-butane_trn.dat' です.
- シェルスクリプト
run_com
は自動生成プログラムを
実行する最も簡単な方法を提供しています. 複雑さを避けるために,
これは CHEMKIN の実行に必要のない中間出力を削除します.
すべてのの中間ファイルを残す場合は,
run_comb_nodel
を利用して下さい.
- 反応機構に高温の NOx 生成反応機構を自動的に
結合するためには、
run_comb_htnox
を利用して下さい.
i-butane.inp
以外にいくつかのサンプルが
~/KUCRS/work/advanced_examples
にありますので参照して下さい.alcohols.inp alkanes.inp alkenes.inp diesel-prf.inp gasoline-prf.inp
化学種データ生成ツールの実行
~/KUCRS/work/sample で
[usr@machine sample]$ proc_smiles spcex
と入力することで, spcex.inp
に書かれた化学種名と構造の SMILES
表記のリストから以下の熱力学データと輸送係数データのファイルが生成します.spcex_thg.dat spcex_thg.lst spcex_trn.dat
spcex_thg.dat
は CHEMKIN で使用する NASA
多項式形式の熱力学データ, spcex_thg.lst
は THERM
のリスト形式の熱力学データ, spcex_trn.dat
は CHEMKIN で使用する輸送係数データです.
proc_smiles
で実行される KUCRS のコンポーネントの詳細は,
ユーザーズガイド を参照して下さい.